作家に聞こう:乙一さん  http://book.asahi.com/authors/



当時、皆口々に「物語」と言うのですが、それを正確に教えてくれる人があまりいなくて、ぼくにとって「物語」は正体不明の怪物みたいな感じだったんです。



未だに物語は私にとって怪物です。物語と小説の境目も、それぞれ全然違うものだけどまだ曖昧です。ライトノベルやミステリなんかって言う人も多いし、文学と比べて下らないという人もいるけど、エンターテイメントとしての小説は大衆にとって重要なものであると思います。私は文学のほうが好きだけどやっぱりエンターテイメントも面白い。そういう意味で芥川賞直木賞なんかは、完全にエンターテイメントだと思います。でも、受賞者の若年化とか劇化とか、文学界の過疎化を必死で食い止める苦策に見えてしまって、私本当捻くれてるなあってがっかりします。