幸福な遊戯/角田光代
3つの短編のうち、表題の「幸福な遊戯」と、最後の「銭湯」は、女性作家特有の暗さ+αってかんじ。江國香織桜井亜美群ようこ+暗さみたいな。この人は人間の内がわまで見通す力を持っていて、微妙な線を描くのがものすごく上手い人だと思う。2番目の無愁天使だけ異色というか、いったい、何をどうしたらこうなったんだろう…とそればっかり頭に残るくらいめちゃくちゃだった。始めから最後まで、登場人物の魂がみんな生きてなくて、しかも生きようとさえしてなかった。みんな死んでた。間違っても鬱のときに読んではいけない。